ハマ野毛

  • 生き馬の眼を読む -場外馬券売場の光と影 (大月隆寬)

    初出『ハマ野毛 創刊号』 (1992.3 / 野毛地区街づくり会発行)   かつて美空ひばりのデビューを飾った国際劇場(元マッカーサー劇場)は、今や安物のクリスマスケーキのような彩りの四角い建物「ウインズ」に変
  • 消えゆくヨコハマの闇の中で (渡辺光次)

      老朽化のあまり錆びつき、朽ち果ててはいるが、 威風堂々たるそれらの建物や空間は、魔力を持った生き物のように、 この港町の全盛期時代の記憶とそのエネルギーを静かに物語っていた。     八
  • 横浜チャイナタウンの 不思議な魅力 (四方田犬彦)

    ロンドン、パリ、ボストン、ニューヨーク…。 世界中の主だったチャイナタウンを垣間見てから戻ってみると、 横浜のそれは例外的な雰囲気を持っていることに気づいたー。   不思議な魅力を湛えた場所 子供の
  • エースのジョーは港町をブンガクにする (宮田 仁)

    横浜という解剖台の上で、あらゆるものが出会う。そこから生まれるのは、けっして抽象的で均質な「国際性」ではなく、具体的で多様な「無国籍」であるはずだ。   「女にチョッカイを出すのはいけねえ。たいていの野郎はその
  • 根岸家 -ぺージェントの化石- (大内順)

    photo by ROBERT HUFFSTUTTER 人間と同じように町にも青春の時代があるのかもしれない。 人間と同じように町も夢を見ることがあるのではないだろうか。 そして、ヨコハマという町がみたとびきり綺美な夢が
  • 野毛に生きる (自由人 中谷 豊)

      俺は北海道で生まれて。漁師の伜だよ。冷たい海の仕事が嫌で、十九の時家を飛び出して暖かい所に行こうと思って汽車に乗って出てきたんだけど、上野駅と東京駅がうまく結び付かなくて、上野の辺りでうろうろしていたとき、