野毛ストーリー

  • 肝っ玉かあさん

      野毛の飲食店は、その成立のしかたがいくつかにわけられる。もともと関内で商売をしていたが、終戦後の連合軍の進駐、接収で野毛に居をかえた店もあれば、素人が突然始めた店もある。 野毛中央部にある「一千代」も、初め

    • Posted 10月 29, 2024
    • 0
  • 駅馬車

      浦山桐郎、永田雅一、オーソン・ウエルズ、並べて書いてしまっては、見識のなさを笑われるかも知れない。三人は、映画を作る側の人である。この一ヵ月の間に、相ついで亡くなってしまった。どう考えても、一つの時代が終わ

    • Posted 10月 26, 2024
    • 0
  • ガラス戸の街

        窪倉錦次さん(64)。昭和二十年、北支から復員した。父親が待っていてくれた。父は苦労して、人手に渡っていた土地を買い戻し、昔住んでいた同じ場所の野毛の一角に、バラックを建てていた。うれしかった

    • Posted 10月 24, 2024
    • 0
  • ヨコハマニュース

    野毛の一角にある「ヨコハマニュース劇場」を知らない人はいないだろう。特に、現在四十歳から六十歳代の人にとっては、妙になっかしい思い出があるはずだ。 今では、一般の映画館からも消えがちなアメリカ映画会社の社名タイトル入りニ

    • Posted 11月 19, 2023
    • 0
  • 炎の中で

      小川キヨさん(86)。明治三十一年、野毛に生まれた。今では知る人も少ないが、野毛で生まれた現在五十歳代の人は、だれもがこの人の手をわずらわせている。五十年にもわたって、野毛で助産婦さんをしていたからである。

    • Posted 11月 1, 2023
    • 0
  • 移りゆく日に

      野毛坂の中ほどに、「苅部書店」がある。屋号は「天保堂」。天保年間に鋳造された「天保通宝」ちなんでつけられた。 天保通宝は百文に通用させるつもりが八十文にしか通用せず、明治になってからは八厘の扱い。そして明治

    • Posted 9月 1, 2023
    • 0