• 調理上の唄(2) (大谷一郎)

      敗戦。 焼けただれた街で、関内のレストラン 「キムラ」のご主人、貴邑富士太郎さんは、遺体 の処理をする明け暮れであった。 そんな中にあっても、富士太郎さんは、心のす みで理想の料理を考えている。焼け跡に座り

    • Posted 8月 12, 2019
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  • 調理場の唄(1) (大谷一郎)

    野毛の桜木町駅寄りに、「キムラ」という洋食店 がある。この辺ではめずらしく、店の前に看板も 出していなければ、ウインドーに値段表もない。 観葉植物が並んだわきに、明るい木製の扉が、中のぬくもりを大切にするように、ぴしりと

    • Posted 8月 6, 2019
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